こんにちは。理学療法士の立花です。
理学療法士という仕事柄、知り合いから
『子供が側弯と言われたけど、どこに行けばいい?」
と相談されることが多いので、ここでも説明させていただきます。
脊柱側弯症とは何か?原因や症状は?
脊柱側弯症とは、背骨の縦軸に対して左右に曲がることで生じる病気です。正常な背骨は脊柱の中央を通って一直線に伸びていますが、脊柱側弯症では左右どちらか一方に曲がった状態になります。
「猫背」や「反り腰」は前後方向への歪みですが、「側弯症」は左右方向への歪みになります。
実は、脊柱側弯症の原因は明確には分かっていません。遺伝的な要因があると考えられ、若いうちに生じると、成長に伴って、悪化しやすいため、小学校で全員を対象に検査も行われています。成長期に姿勢が悪かったり、運動不足や筋力の低下なども原因の一つとされています。
脊柱側弯症の症状は、軽度のものでは痛みや疲れ、姿勢の歪みなどがあります。子供のうちは、ほとんど無症状になります。側弯症が悪化していくと、内臓や肺が圧迫されることで呼吸困難や消化器系の問題が生じることがあります。また、心理的な問題も起こりやすく、自己肯定感の低下やストレス、うつ病などの症状も報告されています。
整体院を選ぶときに避けるべきポイントは?
整体院は誰でも開院可能です。*無資格、民間資格でも、誰でもできてしまいます。
また、有資格者であったとしても、「脊柱側弯症」を治療してもらう上でチェックしたい点を紹介します。
1:姿勢を見ているかどうか?
2:腰の施術だけになっていないか?
3:施術だけでなく、運動や管理方法を教えてくれているか?
そして最も大切なのが
4:整形外科の診察を薦められるか?
最も大切な4と、2について説明していきます。
整体院に通院すると同時に整形外科に行く理由
整体院はできることは限られています。
それは整骨院・鍼灸治療院も同様ですが、
レントゲンの撮影ができません。
脊柱を手で触ると、側弯や姿勢の評価ができるのですが、レントゲンの方が絶対的に正確です。
側弯症は経過をしっかり見なくてはいけない疾患なので、レントゲンを参考にしないでコンディショニングを行うことは非常に困難です。
「自分の院だけで治せますよ👍」という院には気をつけましょう。
腰の施術だけになっている整体院が良くない理由
腰骨(背骨)は骨盤から上に伸びています。
側弯症のほとんどの方が「脚長差」があるのですが、あまり触れられていません。
日本側弯症学会は
1:前屈姿勢
2:立ち姿勢
の2項目をチェックポイントとしてあげています。
上のレントゲン画像のように、
・足の長さが違い
・骨盤が傾いている
と、必ず脊柱は傾いて始まります。
目線・顔は真っ直ぐにいようとするため、その代償として「側弯」が生じます。
腰だけの治療では、一時的な症状の改善だけで、根本解決にはなりません。
脚の長さの左右差は治せるのか?
実は、左右脚の長さが全く一緒という人はほとんどいません。
人間の顔は左右対称ではないということは知られていると思いますが、脚も同様です。
今までの身体の使い方や癖で、実際の脚の長さ、「機能的な」脚の長さは異なります。
脚の関節には
・股関節
・膝関節
・距腿関節
・距骨下関節
があり、それぞれの関節の隙間や、傾斜によって脚の長さは変わります。
例えば
・捻挫をたくさんした右足が長い
・O脚になっている左足が短い
・野球をやっていた人の右足が短い
などは多く見られます。
骨の長さを治すというよりも、関節や筋膜の調整である程度の長さは変えることができます。
少し話がずれてしまいましたが…
側弯症の原因が「背骨」からきているものではない例が多いので、背骨だけ修正しても意味がないということになります。
まとめ
今回は側弯症についてお伝えしました。
整形外科にしても、整骨院にしても、整体院にしても、できること、できないことはあります。
独りよがりにならず、それぞれができることを上手に情報共有できるようになれば、より良い治療ができるようになりますよね。