筋膜と筋膜リリースについて
筋膜とは筋肉を包む膜のことで、ウェットスーツのように体全体に張り巡らされています。
鶏もも肉を見ると、薄い膜のようなものがありますよね。それが筋膜です。筋膜は、
・筋内膜
・筋周膜
・筋外膜
というように、多層構造になっています。そのため、表層から深層まで立体的に包み込むため、組織を支える第二の骨格であるといわれています。筋膜は筋全体を覆っている最外層の筋外膜、いくつかの筋線維を束ねて覆っている筋周膜、さらに筋線維1本1本を包む筋内膜との3種類に分けられます。
筋膜の役割
上の図を見てわかるように、「筋膜」は膜ではなく、すべての組織間にある「結合組織」のようなイメージの方がわかりやすいかもしれません。
筋膜は以下のような役割があります
- 組織と組織の間に仕切りをつくり、逆の働きをする筋肉同士を分けることで筋肉の働きを円滑にする
- 組織同士がこすれあうことで生じる摩擦から保護する
- 同じ働きをする筋線維の動きを支え、力の伝達を円滑にする
そのため、筋膜が「癒着」してしまうと、筋肉間の円滑な動きが阻害されてしまいます。ヒアルロン酸が凝集化された状態です。
筋膜は全身を覆っている組織です。そのため、痛みの原因と痛みが出現している部位は異なる可能性があります。
腰や背中に痛みやコリのある方は、おしりやふともも、股関節部位などの「痛みのある部分の周り」の筋膜をリリースすることによって、症状を改善することができます。
Thomas W. Myers著書のアナトミートレインで詳しく記載されています。
初版は2001年ですが、業界ではかなり話題になりました。
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筋膜リリースとは
筋肉がスムーズに動くためには、筋膜の滑りの良さが必要です。筋膜同士の癒着を改善し、筋肉の働きを回復させる手技を「筋膜リリース」と言います。
筋膜リリースを行うことにより、筋肉が働きやすくなるため、
・筋出力の向上
・関節可動域の拡大
・痛みの軽減
・姿勢の改善
・パフォーマンスの向上
などが期待できます。
筋膜に関連する文献
「筋膜」は比較的新しい分野ですが、研究数も増え、エビデンスが積み重なっている状態です。最近は筋膜にアプローチする医師も増えてきています。
- 筋再教育運動が筋膜リリース後の筋膜の伸張性および筋力に与える影響 勝又泰貴 理学療法科学 31(1):99-106,2016 (PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
- 姿勢の評価と治療アプローチ 竹井仁 脊髄外科 Vol.27 No.2 2013年8月(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
- Myofascial Release(筋膜リリース) 竹井仁 理学療法学16(2):103-107,2001(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
- 自分でできる!筋膜リリースパーフェクトガイド 竹井仁 自由国民社 2017
- 【竹井仁】疲れない体になるには筋膜をほぐしなさい【筋膜リリース動画】誠文堂新光社 YouTube(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
- 伊藤 知之 水須 達也 フォームローラーを使用した筋膜リリース方法 スポーツ健康学会誌 第3号 大阪大谷大学(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
当院では、
・姿勢のチェック
・運動機能のチェック
・筋膜チェック
を総合的に判断し、現在生じている症状や、パフォーマンスの低下などの根本的な原因から治療を行わせていただいております。
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